6月22日 書きかけの小説は51574字(まだ途中
もう2年くらいかけて書いていて、思いついた時に書いているので遅々として筆が進まないのです。その間に小説を読んだりして新しい考え方を知ったり、天から降ってきたアイデアを活かして書き直したりしていて、ほんとうにカタツムリの進むスピードなのかもしれません。いや、カタツムリはちゃんと前を向いて進んでいるから、カタツムリと一緒なんて言ったら彼らに失礼なのかもしれないです。 なにか期限を決めたら良いのでは? […]
もう2年くらいかけて書いていて、思いついた時に書いているので遅々として筆が進まないのです。その間に小説を読んだりして新しい考え方を知ったり、天から降ってきたアイデアを活かして書き直したりしていて、ほんとうにカタツムリの進むスピードなのかもしれません。いや、カタツムリはちゃんと前を向いて進んでいるから、カタツムリと一緒なんて言ったら彼らに失礼なのかもしれないです。 なにか期限を決めたら良いのでは? […]
テレビでは一面の海が映し出されている。海と言っても色は緑で、つまりサッカーの試合を放送しているのだ。いったいどこのチームとどこのチームが試合をしているかさっぱり分からない男、宮島は、カウンターで一人、酒を飲んでいる。というか、この試合を誰かが観ているのだろうか。宮島はさりげなく周りを見渡したが、誰一人としてこの試合を観ている者はいなかった。いったいこの年の瀬に、誰が好き好んでサッカーの試合など観る […]
サトは大きく息を吐いた。そうすると、自動的に空気が身体に取り込まれるのが面白くて、何度か同じ動作を繰り返した。 届かない恋というのは面白いもので、そのおかげで人生が豊かになったような気がした。豊かというのは、サトの感覚で言うといろいろな感情が生まれるということ。好きな人がいるんだけど、彼に惹かれていじらしい想いをしたこと。恋に焦がれるというやつだ。舌でそっと上顎を撫でる。ざらざら、ごつごつ […]
隣の席にいる二人の会話は続く。「信じられる?同じチームのタトさん、パパ活してるんだってさー。そんなことを堂々と言っちゃうあたりがもう信じられない。まぁ、元々信用してなかったんだけど」「タトさんかー。パパになってるってことでしょ?それ言っちゃってるんだ?うわぁ。デリカシーがないというべきか。それ、結局アレなんでしょー、俺は女ひとりを囲っておけるほどの経済力を持っているんだ、っていうのと、性欲をそこで […]
自分にはもう、恋愛ものの小説は描けないと思う。なんというか、自分自身にそっち側の気持ちが湧いてこない感覚があって。図書館でそれ系の本を、いわゆるロマンス系?を借りようという気持ちも、全然湧いてこない。抗うつ剤を飲み始めてからかな?だいたいそのくらいから。 とは言えエンタメ的にはその方面が好まれるのは分かっていて、受けを狙うのであれば書くべきなんだろうけれど、そっち側のことを考えようとしても全然頭が […]
雨上がりの街。水面に残った雨が、水飛沫となって車の後を追っている。やがて、静かに空へと舞い上がり、またいつの日か地上に落ちてくるのを待っている。雲の隙間から、ぼんやりと。 そんな循環を思い浮かべたのは、ついさっき思い出した、死んでしまった母のことがあったから。火葬の日、火葬場から舞い上がる煙のようなものが空に昇っていくのを見た。それはどこまでも舞い上がっていくように見えたけれど、そのまま宇宙まで飛 […]
どっちが正義だとか、良く分からなくなっちゃってさ。少年は、自分が原因で起こしたクラス内での諍いを、隣の部屋に住む、なんの仕事をしているか良く分からないおじさんに話した。いじめられている友達を庇ったら、今度は少年がいじめられるようになってしまった。こんなことなら、庇うなんてことしなかったのに、と。物事はこれ以上なくシンプルだ。いじめられている子が悪い。だけどそのいじめられている子は、家では二人目のお […]
階段を昇っていくと、ちょうど電車が停車しているのが見えた。乗れるのなら乗りたい、と思ったがたまたま、私の前に歩いていた人のリュックについていたキーホルダーが目に入り、そして私は階段でつまづいた。電車は行ってしまった。周りに見られているような気がするのがとても気恥ずかしく、私は「こんなこと、へっちゃらですよ、日常茶飯事ですよ」という、なんてことない素振りをし、気を取り直して残りの階段を昇る。 「運動 […]
彼の顔が好きなの。なんでか分かんないんだけど。彼の、ボールを跳ね返そうとする時の、歯を食いしばった時の顔が。 応援しているチームが、防戦一方の展開。こちらとしてはなんとか自陣からボールを出してくれ、最悪タッチラインを割ってスローインでも良いから、と戦々恐々としている最中、彼女はそんなことを言った。 私の願いが叶ったというべきか、あまりうれしくはない願いなのだが、ボールが本当にタッチラインを割り、相 […]
相変わらず風が強い。春ってこんなに風の強い日が続くんだっけ、と曇り空を眺めながら思った。今にも降り出しそうな空だ。雨は洋服が濡れるから嫌いだ。 ついさっき立ち寄った定食屋に、読みかけの文庫本を忘れたことに気づいたのは、店を出てから数時間経った後のことだった。ぶらぶらとウインドウショッピングをしていたが足の向きを変え、定食屋へと向かった。店は準備中という看板が掲げられていた。腕時計を見ると15時40 […]