7月26日 恋愛小説はもう描けない

自分にはもう、恋愛ものの小説は描けないと思う。なんというか、自分自身にそっち側の気持ちが湧いてこない感覚があって。図書館でそれ系の本を、いわゆるロマンス系?を借りようという気持ちも、全然湧いてこない。抗うつ剤を飲み始めてからかな?だいたいそのくらいから。

とは言えエンタメ的にはその方面が好まれるのは分かっていて、受けを狙うのであれば書くべきなんだろうけれど、そっち側のことを考えようとしても全然頭が働かなくて。ある程度テーマを絞って描きやすく環境を整えても、筆の進みが悪い。というか進まない。

これが40代男性における性欲の減退だと言うならば、ほんと人間の本能に対して素直すぎるだろ、と思ってしまう。

では、私はどんなテーマで描きたいのだろうと、しばし考えてみる。すると、私は人間の生死や、出会いと別れ(恋愛とは関係のないもの)を描きたいのだと、思い至る。

本当に描きたいものを考えているとき、私は幸せだと感じる。もくもくと頭の中から白い雲が頭上に湧き出て、その中には私が産んだキャラクターが、初めはぼんやりとしているのだけれど、時間が経つにつれて輪郭が強調されてくるのをイメージする。

彼らに囲まれている時、幸せなんだなぁと思う。そして普通に仕事している時に、描きたいものが浮かんでくると仕事の手を止め、しばし彼らと戯れる。