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小説

5月1日

図書館で伊坂幸太郎の、フーガはユーガを借りられたのでとても嬉しかった。読むのは2回目で、1回目はだいぶ長い順番待ちをしたものだ。それが、もう予約は不要で借りることのできたという、時間の流れに少しだけ驚いた。あれからまだ1年くらいしか経ってないんじゃなかったっけ。 伊坂幸太郎は、ストーリーの非現実性と、言葉の選び方や小ネタの挟み方がとてもオシャレなところが良い。あとは気持ち悪い性描写や、暴力的なとこ […]

エンターテインメント小説

自分と等身大の主人公が、日々葛藤していく小説とか、描いててつまんない気がするんだよな エンタメだとしたら、肉欲に溺れるとか、カネに、とか、やっぱそういう方面だよな

親愛なる隣人

すぐに身体を求めてくるその思考。男って本当にどうしようもない生き物だ。一度、それを断ったらあからさまに態度を変えた男がいた。名前なんてすぐに忘れたけど。 私の身体は汚れているのかもしれない。私は、何かに縋りながら生きていかねばならぬと気付き、それが、私を求めてくる男という存在だと気づいたのに、そう長く時間はかからなかった。承認欲求。私で果て、そんな人間の腕に絡まりながら、自然と意識を混濁させていく […]

ほろ苦いビールの味

大好きだった彼と別れた。突然のことで、未だに頭が混乱したままだ。ただ、他に好きな人ができたという言葉だけを残して、彼はいなくなってしまった。 私が彼を繋ぎ止めておけるようなものは何も残っていなかった。いつも私が追いかけてばかりで、「付き合っていた」という事実は、実は、私が勝手に思い描いていた解釈で、 本当は、 私がずっと片思いをしていただけなのかもしれない。 遊ばれていた?と友人は今だからこそそう […]

雨が好きな人だっている

毎年、決まった時期に桜が咲くのだと思っていた。だいたいいつも、入学式が行われる頃。だけど今年は、それよりも早い、卒業式が行われる頃に、満開を迎えた。 死んだ母は、この季節が大好きだった。風に舞う桜吹雪を見ていると、なんだか嬉しくなるの、と口癖のように言っていた母は、土砂降りの中、横断歩道を渡っている時、母に気づかなかった車に轢かれた。当時のことはすっぽりと記憶から抜けていて、私はその頃、どういう心 […]

傘をしまうビニール袋が気になってしまう男の話

カフェは混んでいた。雨だし、こんな駅前のカフェはお昼時こそ、混むべきなのだろう。いつもはフロアスタッフが2人で回しているが、今日は3人で回している。1人分の人件費を賄えるほど、十分な利益が出ると見越したのだろう。確かに、周りを見渡すと多種多様な客でほぼ満席となっていた。 私はセットについてきたサラダを食べ終えた。今日のパスタセットのパスタはホウレンソウのペペロンチーノだった。ニンニクの入っている料 […]