台風の影響だろうか、がくんと音を立てるように涼しくなった。
久しぶりにエアコンを停止したまま眠れそうな夜。
気温は25℃とのころ。
真夏のピークが去った、と歌ったのは誰だろうか。
若くして夭折してしまった天才は、名曲をいくつか残してこの世を去った。
夏が終わっていくたびに、彼のことを思い出してしまう。
茜色の夕日を見ていたら、など、彼が放った詞には季節を鮮やかに形容する言葉が記憶に残る。
私も季節の移ろいには敏感な方で、それは花粉症などでも気づいたりするのだけれど、四季という季節がある日本に生まれたからこそ、そういう目には見えないけれど感じるものを大切にしたいと思う。
東京の空だって、星は見えるんだろう。
田舎にいるからこそ綺麗な星空を観ることができるかもしれないが、東京の華やかな街灯の下でも、キラキラ光る一等星くらいだったら見える。
有象無象が蔓延る世界にも、それくらい輝いた星ならば、きっと綺麗に見えるんだろう。
彼はそれくらい輝いていたのかもしれない。