停滞した一週間

家族四人で仲良くコロナ陽性となり、地獄の一週間を経た。
一般的な、健康的な身体を持つ四人なので、自然治癒力がきちんと働いてくれたおかげで、コロナとは言え、熱は下がり、料理をするところまで回復できた。
お酒を飲む気力だけはあまり湧いてこず、少しだけ挑戦したが苦味が口に広がった時に、時期尚早という言葉が浮かんできた。

身体を壊すと、健康の大切さが身に染みて実感できる。

私は、健康だったんだな、と気づくことができる。

これは、病気の中で得られる、数少ないメリットの一つであるように思う。

だからなんだと言うのだ、それに気づかないくらいずーっと、それこそ死ぬ間際まで健康なのが一番良いに決まっているだろう。
いつか明かりは消える。だけど、その、消える瞬間まで、暗闇を知らないほうが幸せに決まっているのだ。

辛い時期を知らない人は、挫折を知らない人は、不幸だと言われるが、そんなものは知らずに、辛い思いをせずに死ぬまで生きた人が一番良いに決まっている。
それが人生のスパイスだ、そういう方面の気持ちが人生を厚みのあるものにしてくれる、という考え方、よく分かるのだけど、辛い時期とか、挫折というのは人の価値観だから、それを得ることでプラスになった!と感じるかどうか、人それぞれなのである。
だから、無理して苦労をさせるということは、やるべきなのかもしれないけれど、一番良いのは、苦労しないということなのではないだろうか。