誰かに認められるために生きているわけではないのだ。そういう意味では、自分に認めてもらいたいという気持ちはあるのかもしれないけれど。自分以外、家族を含めた他人から認めてもらうことは、生きることにおいて全く必要ではない。
認めてもらうって。
だいたいその言い方。
自分が下にいるということではないか。
抗え。そんな気持ちに抗うことで、自分は誰にも認めてもらう必要がなく、等身大で生きることができる。自分の力を全部使って、認めてもらいたいという思いをかき消すのだ。
そうやって、自分を応援しないとやってられない。酒を飲んでも、気分が紛れるだけで、それがきちんと晴れることはない。
子供は、そういうことを考えずに、一心不乱に自分のやりたいことをやる。だんだん思春期になっていくにつれ、学力や体力など、他の同級生と差が見えてきてしまいそれが発端となり自分のランクが分かる。そこで、だんだん、卑屈になっていく。私はそういう人間だった。強い人間に靡く、ただの、ちっぽけな人間。人間と呼んでも良いのだろうか、塵みたいな存在だから、よく分からない。
生きる権利とは。
自分はいったい、この世に対してなにか貢献しているのだろうか。