あの空が見える

5月にしては、割と強く大きな粒の雨が降り注いでいる。傘の、骨と骨の間をすり抜けるように流れてきた風が、私の頬をひんやりとした指先で撫でていく。その風は湿気を含んでいる。顔がベタつく。少しだけ、それを不快と感じる。私は歩みを速める。 昨夜、ウイスキーを舐めながら綴った小説は、朝を迎えてから読み返したら、予想以上にさび付いていた。またダメだった。夜は魔法がかかる。自分の描くストーリーに対して、盲目にな […]

少しずつ春へ

少しずつ、人生を先に進めていく。進めていく、という言い方は正しくない。進んでいくのだ。時間は勝手に進んでしまう。私が、「ちょっと待って!」といくら叫んだところで、そんな甘えには耳を貸してくれないようなのだ、どうやら。 私はなにかを成し遂げたのだろうか。私はこの先、なにかを成し遂げるのだろうか。 成し遂げる、とは。誰に対して、何に対して、何を遂げるのだ。 5年くらい前からであろうか、私は、生きる目的 […]

ほろ苦いビールの味

大好きだった彼と別れた。突然のことで、未だに頭が混乱したままだ。ただ、他に好きな人ができたという言葉だけを残して、彼はいなくなってしまった。 私が彼を繋ぎ止めておけるようなものは何も残っていなかった。いつも私が追いかけてばかりで、「付き合っていた」という事実は、実は、私が勝手に思い描いていた解釈で、 本当は、 私がずっと片思いをしていただけなのかもしれない。 遊ばれていた?と友人は今だからこそそう […]

差別と考えること自体が差別

札幌のジェイ選手が、福岡のカウエ選手に対し、人種差別?!と思われるジェスチャーをしたという話。ツイッターで急激に伸びているのを肌で感じています。 だいたいは、ジェイ選手に対する、それはひどいだろ!という感じに見えます。 確かに、私も、ひどいと思うんですけどね。 ただ、 それ以前に、 カウエ選手のように肌の黒い人と、ジェイ選手のような肌の白い人に対し、典型的な人種差別の構図を、みんな持ってるんだな、 […]

人の努力を無碍に否定すんな

レイソルの試合が終わり、スタジアムから自宅まで、自転車で帰った時のこと。 途中、ほんの少しだけ下り坂の箇所があり、そこをギア最高にして疾走した。 まさに、疾走を体現する走り。つい最近まで長男が乗っていた140cmくらいの人用、24インチクロスバイクに乗っていったので私の身長からするとめちゃめちゃ小さくて、膝がハンドルにぶつかりそうなほどだったから、実際のスピードは大したことなかったと思う。けれど、 […]

雨が好きな人だっている

毎年、決まった時期に桜が咲くのだと思っていた。だいたいいつも、入学式が行われる頃。だけど今年は、それよりも早い、卒業式が行われる頃に、満開を迎えた。 死んだ母は、この季節が大好きだった。風に舞う桜吹雪を見ていると、なんだか嬉しくなるの、と口癖のように言っていた母は、土砂降りの中、横断歩道を渡っている時、母に気づかなかった車に轢かれた。当時のことはすっぽりと記憶から抜けていて、私はその頃、どういう心 […]

タイトル無し (承認欲求についてのメモ

他人への承認欲求が強いと、疲弊する。他人が自分の織りなす行動や言動に賛成や同意をしてくれないと、満たされないからだ。そしてそれは他人が考えることで、自分でコントロールできないことなのだから、それを期待して行動するようでは、自分はいつまで経っても満たされないのだ。 そのことをじっくりと考え、少しだけ生まれ変わったような気がする。と書くとだいぶ大それたことのように聞こえるが、なんてことはない、少しだけ […]

世の中、白黒つかないことばっか

一日いちにちが、継ぎ目なくぼんやりと過ぎていく。人間は寝るから、それが継ぎ目のように感じられる。けれど実際は、それは意識があるかないかという観点なだけで、呼吸とか、時間とか、違う観点で考えると、なんてことはない日々が続いているだけなのである。 季節だって、ゆっくりと入れ替わっていく。辛うじて、雨が多くなってきたなとか、ベランダで飼っている植物が葉っぱをつけてきた、花を咲かせてきたというように、目に […]

タイトルなし(急に、嫌われた?!と困惑する人を応援する話)

人間、簡単に人を嫌いになることなんて、できない。優しい人間なら、なおさらだ。 人は生きていかなければいけない。死ぬ権利もある、と私は以前考えていたけれど、いや、正直に言うとそれについては未だにその権利はあると思っているけれど、生きていこう、と思う人なら、忘れる、執着しない、手放すということが肝要なのだ。生きていきたいから。辛い思いばかり抱えては生きていけないから。 機嫌良く生きる。これが、人生を軽 […]

応援しているチームが勝てないのは、誰の課題なのだろう

応援している柏レイソルというサッカーチームが、2021年に入ってからあまり勝ててないという状況です。選手みんなは頑張ってると思うのですが、結果につながらないのは、とても歯痒い思いです。 私は、そんなレイソルを応援しているツイッターアカウントの人たちを多くフォローしているのですが、勝っている時はみな一様に「最高だ!」となります。一方、負けが続くと、応援することに戸惑いを表す人、特定の選手を罵倒する人 […]