CATEGORY

読書感想文

# 読書感想文を上手に書くには(いまだ練習中の立場で書いてみる)

ここのところ本を読んだらそれをアウトプットしようと思って、いくつかブログに載せているのですが、自分の気持ちを正確に捉え、それを言葉で表すことの難しさを感じます。 思いの丈を!ぶつけたいのに!という思いを持ちつつも、それを正確に述べることの難しさ。たくさん読んで、たくさん書いていくうちにだんだん上手くなっていくのでしょうけど、コンスタントに読む+書くという作業を続けるのはなかなかしんどいものです。 […]

三島由紀夫 潮騒 ★★★★☆

青年があの航海を経て見た景色は、以前は遠いものだったんだけど、やがてそれが手の届く距離に近づいたんだねぇ、としんみりしてしまいました。彼は、自分が成長していく様を自分で理解しつつ、周りにいる人たちとの関係が、最初は小間使いだったような立場から、自分が経験を積むことでだんだん一人前に認められていくという点を、この三島由紀夫という作家は丁寧に、瑞々しく描いていて、さすが、後世に語り継がれる名作を描くだ […]

三島由紀夫に出会いました

さて、図書館で次はどんな人の小説を借りようかなと思い、ぼんやりとインターネットを見ていたところ、三島由紀夫の文体がものすごく美しいという投稿を見つけまして。 私の中で彼のイメージは、なんか白いハチマキを頭に巻いて、それで防衛庁(現・防衛省)の前で切腹して自殺したとか、それすらも曖昧ですがなんかそんなイメージを持っていて、私も、まぁそう考えてみたら右寄りな人間なので彼の思想に合致するかもしれないと思 […]

漁港の肉子ちゃん 西加奈子 ★★★★☆

昨年の秋くらいから、まるで取り憑かれるように西加奈子さんを読んでいます。最初に読んだのはサラバ!で、今風の言葉、適切な言葉をあまり深く考えずに言うと「エモい」作品だな、というのが率直な印象だったのですが、そのエモさが私にとって妙にぴったりで、もっと読みたい!と思ったのを、数ヶ月経った今でも心に残っています。彼女の描くエモさには、何が含まれているのでしょうか。私は、彼女が持つ筆記具を握る指が、爪がめ […]

夜が明ける 西加奈子 ★★★★☆

西加奈子さんを読むのは3作目です。サラバ!、まく子、そしてこの「夜が明ける」。どの本を読もうかと言うのはあらかじめ決めているわけではなく、図書館で在架されているものをパパっと見て、そこからジャケ借り、という感覚で、この本を手に取りました。 いやぁ、壮絶でした。西加奈子さんの想像力にただただ圧倒されるばかり。サラバ!も、まく子も、かなり熱量の高いお話でした。だけどこの夜が明けるは、個人的には、それら […]

読書感想文 モモ ★★★★★

完全にナメてました。 名作とは言え児童書だろ、しかもかなり前に出たやつだし、くらいの感じで。 読んだきっかけ Xを通じて知り合った方が、ご自身を作り上げた本の中にこれを挙げていて、おいおいマジかよ、と思ったのがきっかけです。私はその方を信頼していて、そこまで言うなら、と図書館で借りたという経緯になります。 私が住む自治体の図書館ではこれを児童書コーナーではなく、ヤングアダルトコーナーに置いていたの […]

9月1日 悩む人 高橋秀実 ★★★★☆

図書館で借りました。人生相談のフィロソフィー。悩む人。高橋秀実さん。この作者のことは存じ上げなかったんだけど、書いてある文章がとても砕けていて読みやすかったです。 私はなんとなくニーチェが好きで、彼のこともこの本に書いてあったのでもうちょっと深めてみようと思ったのが借りた経緯になります。 永遠回帰という考え方 過去、あぁしておけば良かったと人間は考えがちで、私も数え切れないほどの失敗を経て今に至る […]

読書感想文 瀬尾まいこ 君が夏を走らせる ★★★★★

<このブログにはネタバレを含んでいます。ご自身の責任においてご覧ください> 何年かぶりの星5つです。この前に取ったのはなんだったか。三浦しをんさんのまほろ系だったかもしれません。 Kindle Unlimitedで読みました。 面白くて通勤中に一気読みしてしまいました。この物語は、16歳の男子が、先輩から頼まれて先輩の子供、1歳10ヶ月の子供をベビーシッティングするという、割と突拍子のない物語です […]

8/13 読書感想文 幸福な食卓 瀬尾まいこ ★★★★☆

Kindle Unlimitedで読みました。瀬尾まいこさんの本を読むのはバトン以来2作目。 以下、ネタバレを含みます。ご自身の責任において読んでください。 私は瀬尾さんの小説はいい人ばかりに囲まれて、なんというか誰も傷つかず、健やかに育つ人間が集まっている印象でした。まだほとんど瀬尾さんのことを存じ上げない立場で言及すること、ご了承ください… 今作も同様で、主人公の佐和子はぱっと見ヘンテコな家族 […]

6月15日 ハンチバック 市川沙央 ★★★☆☆

ようやく読める機会があり、読みました。 芥川賞を受賞した時の会見で、作者の素性というか人間的な特性を先に見てしまったので、彼女の自伝的小説なのかなと先入観を多大に抱きながら読み進めました。私の知り得ない人の生活をつぶさに見ることができた、とても良い機会でした。私が今見えている視点では、言葉に表すことができないくらい自然なことでも、ある特性を持つ人にとってはとてもできないことってあるんだな。 どこま […]