カテゴリー: 読書感想文

  • 8月26日 今日のレイソル

    8月26日 今日のレイソル

    今日は柏レイソルの試合。久しぶりにスタジアムで観戦した。
    いつもの通り、ゴール裏の2階席。子供と一緒に。

    最近のレイソルはちょっと調子が上がってきたように感じる。
    ボールを繋ぐ意識、球際の競り合い。
    その証拠として、結果がついてきている。
    勝ってはいないけれど、負けてもいない。
    攻撃も防御も、なんとなく噛み合ってきたような感覚がある。

    現地で見て思うのは、レイソルの選手たちが負けないぞという意識を持っているということ。
    彼らはプロだから、サッカーでお金を稼いでいる。
    だから、結果が良くないと、すぐに終わってしまう。
    そういう意識もあるのか、ひしひしと気迫のようなものを感じる。
    なので応援にも力が入る。
    応援することで、声を出すことで、彼らのあと一歩という頑張りに力を授けられると良いな、という思いで、応援している。

    結果としては引き分けだった。
    だけど強豪の広島だったから、個人的にはそれで良かったんじゃないかと思う。
    勝てたらもっと嬉しいけど。
    私の中では、長いトンネルの終わりにさしかかり、出口が見えてきたように感じるのだ。

  • 8月8日 読書感想文 ライ麦畑でつかまえて

    8月8日 読書感想文 ライ麦畑でつかまえて

    久しぶりの読書感想文になります。
    野崎孝のほう。

    会社の同僚に勧められたからです。いいから読め、と。
    早速図書館で借りてきまして、早速読んでみました。

    一言で表すと、ガラスの十代だなぁと思いました。
    学校を退学になり、実家に戻るまでのロードムービー的なストーリーで、自分の思い通りにならないことばかりで、人生ってつまんないよなぁ、と全般的に考え続けてる主人公の姿が、まざまざと浮かびまくってました。
    本人の語り口でずっと、最初から最後まで語られるのが良いですね。
    彼の姿が、より一層クリアに見えたような気がします。殴られた時には自分も痛くなるほどに。
    ひとつひとつ、思いが残るシーンはあるのですが、私の中で一番心に残ったのは、アントリーニ先生との対話です。最後の方に出てくるところ。
    アントリーニ先生というのは主人公のホールデンが好きだった、かつての先生で、退学になった後にその先生の家を訪れ、近況を話したりするのですが、その中で、先生は主人公に対して「堕落していく姿が見える、それは取り返しのつかないことになってしまうから、できる限りそうならないように心がけよ」(だいぶ端折ってます)とアドバイスをします。
    これってまさに、冒頭から私の考えたことだったので、とても印象に残りました。
    成績が優れず、退学となってしまった。しかもそれは自分が頑張って勉強をしないから、という、いわば自業自得の結果ということで、ホールデン自身にとってみるとぐうの音も出ないほどの気分だったことでしょう。
    そこから、友人と喧嘩して殴られたり、自暴自棄になってお酒やタバコをたくさん取り入れてみたり、かつての友人(女子)に変なことを言っちゃって嫌われたり、まぁなんというか、たった数日間ではあるけれど”いやなこと”の詰め合わせといった感じで、本当に堕落が始まった瞬間だよなぁと感じていました。
    私も大学時代に遊び呆けてしまって悲惨な成績を取ったことがあったので、耳の痛いシーンが多かったです。あの頃、成績が親に届き、辛い会話をしたりとか。
    そんな感じに、自分のイケてない時代を主人公に照らし合わせてあの頃を思い出すような、そういう形でこの本を通して思い出に触れ合うことができたなぁ、と思いました。

    読書って、そういうことなのかもしれないなぁ。
    物語で綴られるストーリーが触媒になり、自分の経験が、ほとんど忘れていた経験をふっと思い出す、みたいな。
    たぶん、この本を読む人はみんな、そんな感じに自分の経験と照らし合わせているのかもしれないなぁ。

  • 6月3日 私のやめることリスト

    6月3日 私のやめることリスト

    6月にしては珍しい台風が去り、空気が綺麗になっているような感覚。
    まだきっぱり晴れておらず、空気自体はひんやりしている。
    そうだ、風はまだ6月のものだったんだ。台風なんてものが来ていたから、私はまだ季節自体が夏前ですよ、ということを忘れていたんだね。

    さっき図書館へ行ってきた。
    少し古い造りのそれは、本棚が低く設定してあり、とても見やすいのだけれど、逆に一番下の棚はものすごく見づらいんだよね。
    実際、一番下の棚にある本って借りられる率が低いんじゃないかと思うわ。

    今日はなんとなく図書館へ行ったので、偶然の出会いに期待してたんだよな。
    最近ちょっと気になってる投資のほんと、あと、やめることリストみたいな本を借りてきた。
    後者は、私がかねてより気になっている承認欲求のこととか、自分が苦しめば良いという考えをやめてみる、みたいなことが書いてあったので、こういうのって必要だよな、という気持ちと共に、借りてきた。
    ぱらぱらっとめくってみると「嫌われるの誤解をやめてみる」とか。
    ふむふむ、そうだよな、私なんてまさにこの「嫌われないように暮らす」ことを考えてしまっているから、これで自分の首を絞めちゃってるのかもしれないよなぁ。
    嫌われる勇気も読んだんだけど(こっちは買って読んだ)、結局のところ自分が嫌われないように意識してるんだよなぁ。

    人間関係のトラブルって、誰の身にも起こりうる「厄災」のようなもの。…「嫌われるんじゃないか」のほとんどは誤解。

    なんか勝手に人生がよくなる やめることリスト

    なるほどなぁ。過去、私が、嫌われた!と思ったことって、実は私の誤解だったかもしれない。本当は嫌われたのではなく、相手がたまたま機嫌が悪くて、私に八つ当たりしただけなのかもしれない。
    もしかすると今はもう、私のことを嫌ってなんかはいなくて、私がずっと「あの人から嫌われている」と考えに執着しているだけなのでは、と。

    考え方次第だよなぁ。過去との付き合い方っていう話なのかもしれない。

  • 4月15日

    4月15日

    村上春樹が新作を出したというニュースを目にした。彼の文体はだいぶ特徴的。レトリックという言葉が適切だろうか、私みたいな、にわかハルキストにも満たない人間から言っちゃうと怒られてしまいそうだが、物事を表現する時に使う言葉から、彼の個性を感じる。かと言って難しい訳ではなく、すっと頭に入ってくるところこそが、彼のすごいところなのかもしれない。

    新作を出した記念に、図書館でまだ読んでなかった作品を借りた。家族がスーパーで買い物してるので、雨音を聞きながら読む。

  • 内向型の生き方戦略 | 中村あやえもん | ★★★☆☆

    内向型の生き方戦略 | 中村あやえもん | ★★★☆☆

    私は内向的な人間で、だからこそこんな誰も見ていないところで日記を書いているんですけども、
    こういう系の本を読むと、自分はいったい外向的なのか内向的なのか、分からなくなります。

    私の場合、後天的かもしれないですが雑談する場が苦手ではなかったりするので、この本では「雑談が苦手なのは内向的の特徴」みたいに言い切っているので、そういうのを読んでしまうといったいどっちなんだい、と思ってしまいます。

    そうなると先には進めなくなってしまって、何しろこういう決めつけ的なノリがまた苦手なので、どうせ臆病でリスクには敏感で、みたいな論調で先に進んでしまうんでしょ、と思ったりするので。

    内向的なのが嫌だから、この社会で生きていくのに必要だと思ったからそういう雑談とか、大勢の中でも生きていく術を見つけてなんとか生きてきたのに、そういう私の頑張りがもしかして無駄だったのでは、なんて思ったりして。

    違うんですよね、無理しなくても生きていけますよ、ってその生き方を戦略として紹介してくれているのだから、私が読むべきじゃ無いとか、私の生き方が否定されているとか、そういうことを言いたいわけじゃ無いんですよね。わかってるんですけどね。

    そしたらいったい、私はどうやって生きていったら良いのだろうか。今までの生き方で培ってきた雑談スキルは、手放してしまっても良いのだろうか。

    そもそも雑談って、私、好きだったんだっけか。
    いつくらいに手に入れたんだろう。

    雑談している時の自分は、好きなのか

    雑談している時の自分のことを、自分は好きでいてくれているのだろうか、とふと思い至りました。
    雑談するのは、その場の空気を暖めたいからで、なぜなら雑談の無い空気が苦手だからなんだよな。だとすると、雑談の無い空気から避けるために雑談するという「自分の頑張り」を、どう捉えるのか。
    多分私は頑張って雑談をしていて、そうなると、無理して雑談するってことになるような。

    無理して雑談って。そんなとこに無理する必要があんのかい、と。

    けどその場の空気が苦手だから。

    雑談のない空気に耐えるくらいなら、頑張って雑談するくらいの方が自分にとっては心地良いから。

  • リトル・バイ・リトル | 島本理生 | ★★★★☆

    リトル・バイ・リトル | 島本理生 | ★★★★☆

    島本さんの作品を読むのは3話目です。
    ファーストラブ、ナラタージュに続いて今作が3つ目。

    あらすじ

    母子家庭で暮らす若い女性の視点。
    母と、異父姉妹の妹と3人暮らし。
    習字教室に通い、ティッシュ配りや看板持ちのバイトをしていて、ひょんなことから知り合ったキックボクサーとの淡い恋を体験。彼のお姉さんがなかなか個性的。

    (私視点の)島本理生さんの作風

    島本さんの表現で私が面白いと感じる点がいくつかありますが、私としての1番は「登場人物の一挙手一投足、仕草を丁寧に描く」ことです。
    それが心地よくて、ずっと触れていたいと願いたくなってしまいます。仕草の表現がとても豊か。サマーセーターについたモルモットの毛を取りながら〜、とか、ついその情景が浮かんでしまいます。

    2つ目は、小気味良い場面展開です。
    全般的に淡々と物語が続く印象があり、サラサラと読めてしまいますが、時折ガラッと場面が変わるところがあり、気持ちが強制的に切り替えさせられるのが面白いです。

    3つ目は、登場人物の愛嬌が面白い点です。
    上述した、キックボクサーのお姉さんがとても面白いです。私には姉がおり、そういう点でも共感を持ったというか、近しい存在に感じました。終盤にある、車の中での会話とかだいぶ面白かったです。

    このリトル・バイ・リトルは芥川賞候補になったということで読みました。
    私として興味があったのは、ストーリーの作り方、およそ150ページ程度で収められることの多い芥川賞で、物語の展開としてはやはり起承転結があるのだろうと思っています。
    この物語で言うと冒頭の、読者の理解を深めるところから始まり、キックボクサーとの出会いから、ちょっとしたデートが承なのかなぁ。
    そしてキックボクサーの誘いで行った飲み会が転、最後の公園のところが結?だとすると結末がちょっと尻切れ感なのかなぁ。ストーリーとしてきちんとした結末を迎えさせようとする気がないのなら、別にふっとした瞬間に切っちゃうのも有りなんだろうなぁと思いました。
    まぁでも二人の淡い恋の、これからを読者は想像するのでしょう。私もそうしました。
    そうやって余韻を残して終わりにする感じも、島本さんならではなのかもしれません。

    星を4つにしたのは、私の満足度によるものです。
    期待していた温度感で、ボリューム、登場人物への愛着などから4つにしました。
    面白かったです。

  • 読書感想文 | 蹴りたい背中 | 綿矢りさ | ★★★★☆

    読書感想文 | 蹴りたい背中 | 綿矢りさ | ★★★★☆

    Kindle Unlimited対象だったので読みました。

    この本は以前図書館で借りて読んだことがあったので、読むのは2回目です。

    嫉妬。星4つで、あと1つは悔しかったから付けませんでした。大人気ないですね。わかってます、私はそういう人間なんで。

    嫉妬と言っても、いったい何に嫉妬したのか。

    作者の感性と、それを描くことのできる語力に。

    きらめき、ざらつき、空気にもいろんな捉え方があるけれど、それをきちんと、読者に分かるような言葉を使って丁寧に描いているところが、綿矢りささんの凄さだと思います。

    読者に分かるような言葉ってのがまた難しい。

    主人公と同年代の頃に描いたのかな、ちょっとズレがあるかもしれないけれど、作者本人ではなく主人公の目線で感じる物事を、作者が代弁してあげているところに距離感がなく、ピッタリと寄り添っていて、その、主人公に憑依してる感覚に圧倒されました。

    物語の感想と言えば、中学の時に仲の良かった人が、高校では別のグループに入り、徐々に距離が離れていくところ、主人公が抱く寂しさと、自分もそっちのグループに入ることだってできたのにそれはせず、孤独へと進めていくところがたまらなく切なかったです。

    それに近しいところで、にな川のことなんて全然好きではないのに、周りからそのように見られてしまっていて、両極端なその2つの感情が、って感じで描いてあったけど、もしかしたら主人公は少しだけサディステックな気持ちをにな川に抱いていて、その感情が自分の中でうまく解釈できていない可能性もあるよな、と思いました。

    あと、にな川の家族の辺り、とても面白く描かれていると思いました。

    家族の関係性というか。挨拶なんてしなくていいよ、というにな川と、挨拶もしないで勝手に他人が家に入るの、気持ち悪くない?という正統派な母親。世間で見たら絶対的に母親の方が正しいのですが、にな川家の中でのローカルルールがあって、けどそれはにな川本人しか通用していない辺り。

    いやそもそもにな川が友人を家に呼ぶことなんてしないだろうから、そのルール自体、ハツが来た時に勝手に作られたのかもしれません。

    けど緊張するよね、家族が明らかにいるであろう部屋を開けずに、障子1枚を隔ててこそこそと友人の部屋に入っていく瞬間。普通は挨拶したほうが良いだろ、という良心の呵責はある一方で、友人が持つローカルルールに従うのもまた普通なことだから、私は、割と家族に申し訳ない、という気分でお邪魔したりしてました、子供の頃。変な緊張感があるよな。

  • 読書感想文 | 沈黙のパレード | 東野圭吾 | ★★★★☆

    読書感想文 | 沈黙のパレード | 東野圭吾 | ★★★★☆

    図書館で予約してまして、順番が回ってきたので読みました。3日くらいでばーっと読んでしまった。

    以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。

    東野圭吾さんはすごいね。この文字量で、且つきちんとした論理で伏線を回収していくんだもんね。
    最近は改行してページ数を稼ぐ本が多いような気がしていて、それはそれで空気感を楽しむという点でアリだとは思うのですが、正直なところ読み応えという点では、やっぱり東野圭吾さんくらいの文字量があると嬉しいです。
    物理のことをちらっと書くあたりも、本筋とは違いますがちょっとした知的好奇心を満たす役割を果たしていて、私としてはすごく好きです。

    さて。ストーリーの感想を。

    人の気持ちって分からないです。自分の夢を叶えるために、実現させるために、他人を道連れにしてしまっても良いということはないでしょ。
    賛同してくれているならまだ分かるんですけども。
    けどそれが途中で気が変わり、道を違えるようなことになるのならば、他人は、その人の人生を歩むべきだから。
    まぁでも、自分たちの夢を叶えるほどの逸材に出会い、そのために骨身を削って夢を実現することに捧げてきたのだから、あんな感じになってしまってもしょうがないのかなぁ。

    浮かばれないのはなみきやの皆さん。真相を知ったところで、佐織は帰ってこないのだから。これでも最後の、やっぱり死んでませんでした、ホントのホントに殺したのは、っていう展開、必要だったんだろうか。そこまで転がすー?!って思ってしまいました。私としては留美がやりました、終わりでもうお腹いっぱいだったなぁ。
    いや、それが東野圭吾さんの面白いところなのかな。
    星4つにしたのは、この一連の転がし方が、私としてはやりすぎだったんじゃ、と思ったからです。ここまで転がすのが好きな人も当然いるでしょうけども。

  • 読書感想文 | 僕の好きな人がよく眠れますように | 中村航 | ★★☆☆☆

    読書感想文 | 僕の好きな人がよく眠れますように | 中村航 | ★★☆☆☆

    Kindle Unlimited で読みました。

    中村航さん、名前は聞いたことがありましたが、作品を読むのは初めてでした。

    ざっくり言うと大学院生の恋愛。けど女性の方はすでに結婚していて、つまり不倫ものです。

    私には無理でした。全部読めなかった。62%でギブアップでした。

    なにがダメだったか。

    現実味のないところがダメでした。

    現実味というか、なんていうんだろう、倫理観?不倫ものって私は苦手なのかもしれない。ということでごめんなさい。ストーリーではなくこの作家さんの感想を。

    中村航さんって、かるーいタッチで物事を描写していくんですね。
    キャッチー。チャーミング。そんな言葉が思い浮かびました。
    物事の比喩表現とか、(不倫という括りではあるけれど)付き合いたてのカップルが齎す雰囲気のところとか、私の過去を思い出し胸がキュンキュンしました。
    これが不倫ものじゃなかったらなぁ、というところです。素直に読めたら良かったなぁ。
    私って結構頑固なところがあるんだな、と自分の新たな一面を発見することができました。どうでもいいけど。

    あと会話とかね。この作家さんが何歳の時に執筆したか分からないですが、まさに25歳にもう少しで到達するような男女の会話だよな、とか、プロントでお酒を飲む雰囲気とか、あと私、Jリーグのサッカーが好きなので浦和サポに鳥栖サポが紛れ込んだって表現とか、面白いね、と思いました。

    作家さんのタッチ自体は好きなので、ストレートな恋愛とか、そういう系の話を読んでみたいなぁ。

    僕の好きな人が、よく眠れますように (角川文庫) [ 中村 航 ]

    価格:528円
    (2022/9/25 00:41時点)
    感想(6件)

  • 読書感想文 | 星の子 | 今村夏子 | ★★★☆☆

    読書感想文 | 星の子 | 今村夏子 | ★★★☆☆

    <ネタバレを含みます>

    Kindle Unlimited で読みました。以前図書館で借りたことがあったので、読むのは二度目です。

    昨今、宗教の二世問題、お金をたくさん献金する、みたいな問題が取り沙汰されていますが、本人たちが信仰心を持って、自分の思い、信念に従って行動を起こすということに、よほどの事がない限りは外野が止める権利がないように思います。

    この中で描かれているのは、イメージ的にはカルト宗教チックなものに入っている家族。
    主人公はその子供。やってることは怪しい感じがするのですが、お金をたくさん献金して家や土地がなくなってしまいました、みたいな事がないので、悲惨な感覚はありません。
    だからか、終始朗らかな描きっぷりです。
    頭にタオルを乗せて、良い感じの水をチョロチョロとかける、というアイデアがまさにカルト宗教っぽく、良い感じの温度感だと思いました。

    今村夏子さんの作品、他のは読んだ事がないのですが、細かいところの描き方が具体的で、読者に委ねるところが少な目なテイストですね。
    別の作者さんが、「容姿について一切書かず、読者に委ねる」と言っていましたがそれとは対称的で、例えば髪を留める髪飾りの具体的なところとか、とても丁寧に描かれていたのが印象的です。

    あくまで個人的な感想ですが、物語が淡々と固られていて、ある女の子の青春物語、という風合いもあるように感じました。映画にもなったので多くの人が読んでいるのだろうと思います。
    宗教にハマっている家族の話、という見方が多数なのでしょうけど、学校での出来事も丁寧に語られていて、ちょっとほろ苦い経験があったりするので、青春っていろいろあるよね、な見方もありかなと思いました。

    で、冒頭に書いた、宗教の二世問題が頭にこびりついていながら読み進めました。
    途中、親戚のおじさんが、両親から離すようなことを提案したり、学校の先生も同様のことを発言したりしてますが、当の本人はその宗教活動を気に入っている節があり、だからこそ、信仰心の自由を闇雲に侵害するのはいかがなものだろうか、という考えに至りました。

    私自身は特段信じているものはなく、強いて言えばご先祖様くらいなものですが、生きていると何かに縋りたくなる時ってありますよね。
    そういう時に「宗教」という選択肢が頭に浮かぶかというと疑問ですが、近くにそういう人、何かに強い信仰心を持っている人がいて、私に勧めてきたとしたら、時と場合により靡いてしまう場合があるかもしれないなー、と思いました。
    いや、ないか。

    他のレビューはこちらに。

    文庫 星の子 [ 今村夏子 ]価格:682円
    (2022/9/24 05:07時点)
    感想(6件)
    楽天リンク 星の子 今村夏子