律するか、怠けるか

ここ数年で気づいたことなのだが、自分は心身の状態に対して完璧にしておきたいタイプなんだなということ。

もう40歳を超えているし、毎日きちんとした体調を保つというのは簡単なことではないが、それでもどこか弱っている部分があると、最優先で治そうとする姿勢に入る。

例えば口内炎。年に数回できる。非常に痛いので嫌い。その嫌な思いを早く取り除きたいので、ダッシュで治す。お酒をやめる。食生活をきちんとする。睡眠時間をきちんと確保する。その辺りの生活を見直すことで、割と、それこそ一週間くらいで治る。自然治癒力に感謝するとともに、普段の生活を見直す良い機会だと、いつも感じる。

そんな風なんだから、むしろ予防観点で、口内炎のできない生活を普段からやれば良いのにと思うのだが、なぜだかそれはできない。

なぜだか、と書いているが自分ではちゃんと理解している。怠惰に暮らしたいからだ。

人間は自分の欲望に甘い。お酒を飲みたいし、好きなものを好きなだけ食べたいし、夜更かししてスマホをダラダラ見ていたい。ゲームしてたい。そんな欲望に対して真摯に付き合ってしまうと、途端に口内炎ができてしまう。そんなリスクをちゃんと理解しつつ、怠惰に過ごすのだが、一方で口内炎ができてしまうとそんな生活をしていた自分を恨む。

人生の選択において、自分を律するか、欲望に忠実な姿勢で生きるか、二つに一つだ。どっちも、ということはできない。

それなら私は、と簡単に選ぶのが難しい。というか、どっちかに偏って生活すること自体不可能なのだ。人間は飽きてしまう。そんな風には出来ていない。

なら、どうすれば良いのか。どっちも、やる、という選択肢がある。

律する生活を送りつつ、時折、自分を甘やかす。なかなか難しいように思えるが、例えば運動を定期的にする人のうち、美味しくお酒を飲むために、をモチベーションにしている人は意外に多い。運動しているから、割と調子は良かったりする。そして罪悪感も少ない。

ポイントは自分が機嫌良く生きるという点で、その気持ちを獲得するために、自分を律するか、欲望に忠実になるか、そのどちらかを強めれば良いんだろう。それでも口内炎になってしまったら、その時は諦めるしかないが。