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読書感想文

# 52ヘルツのクジラたち 町田そのこ ★★★★☆

## 星4つ 主人公は幸せな家族に恵まれず、感情移入してしまうとこっちまで気持ちが落ち込むような境遇。 私は、この先、幸せな結末が待っているに違いないと信じながら読み続けました。 どんどん先を知りたくなるような展開で、つまり私の想像をはるかに超えたストーリー展開が常に用意されていて、あっという間に読んでしまいました。 このあたりが、星4つの理由です。5つにしなかったのは、物語が短かったなぁ、という […]

# 十角館の殺人 綾辻行人 ★★★★☆

読み終えた後、しばらく呆然としてしまいました。 あまりにも鮮やかなトリック、そして緻密に計算されたストーリー展開に、ただただ圧倒されるばかり。 若くしてこれほどの作品を書き上げた才能に、嫉妬すら覚えます。 ## ミステリ小説の魅力とは何か? 普段、私は小説を読む際、物語の面白さはもちろんのこと、作者の文体や情景描写など、文学的な要素を重視する傾向があります。しかし、今回の『十角館の殺人』は、そのよ […]

# 思考を耕すノートの作り方 倉下忠憲

## 人の行動をサポートする役割 メモやノートは、人が頭を使う時にサポートする役割を果たす。頭の使い方や、考え方をサポートするのだと言います。 では一体、人間は、頭をどんな時に使っているのでしょうか。 素人なりに考えてみると、意識的に頭を使う時と、無意識的に使う時があるように思います。 意識的にというのは、今、私が文章を考えながらキーボードを叩いています。私が意図する文字を入力するために、指を動か […]

地下の鳩 西加奈子 ★★★☆☆

繁華街。キャバレーの呼び込みを生業としている男と、その近くの店で働くチーママの、淡いけど深い恋愛物語。これを恋愛と呼んでいいのか分かりません。恋愛なんて、200人いたら100通りの恋愛があるわけで。 たまに旅行とかでいつもと違う、知らない風景に佇む家を見ると、あぁ私にも知らない世界があって、そこで生活を営む人がいるんだなぁと感慨深い思いを抱いたりしますが、それは旅行だけではなく、たまーに、繁華街で […]

# 綾辻行人 another ★★★★☆

読書って山登りみたいなところがあって、山登りって言っても茨城の筑波山に登った経験くらいしかないんですが、小説を読み進めていくと、途中、ん、なんだこれみたいなところがいくつかあって、その答えが後になって分かることって良くありますよね。 山登りは、歩いているうちにこれから登ろうとする頂上が見えるじゃないですか。あの山をめがけて登っていこうみたいな。あの山、頂上にたどり着いた時にはいったいどんな景色が待 […]

# 読書感想文を上手に書くには(いまだ練習中の立場で書いてみる)

ここのところ本を読んだらそれをアウトプットしようと思って、いくつかブログに載せているのですが、自分の気持ちを正確に捉え、それを言葉で表すことの難しさを感じます。 思いの丈を!ぶつけたいのに!という思いを持ちつつも、それを正確に述べることの難しさ。たくさん読んで、たくさん書いていくうちにだんだん上手くなっていくのでしょうけど、コンスタントに読む+書くという作業を続けるのはなかなかしんどいものです。 […]

三島由紀夫 潮騒 ★★★★☆

青年があの航海を経て見た景色は、以前は遠いものだったんだけど、やがてそれが手の届く距離に近づいたんだねぇ、としんみりしてしまいました。彼は、自分が成長していく様を自分で理解しつつ、周りにいる人たちとの関係が、最初は小間使いだったような立場から、自分が経験を積むことでだんだん一人前に認められていくという点を、この三島由紀夫という作家は丁寧に、瑞々しく描いていて、さすが、後世に語り継がれる名作を描くだ […]

三島由紀夫に出会いました

さて、図書館で次はどんな人の小説を借りようかなと思い、ぼんやりとインターネットを見ていたところ、三島由紀夫の文体がものすごく美しいという投稿を見つけまして。 私の中で彼のイメージは、なんか白いハチマキを頭に巻いて、それで防衛庁(現・防衛省)の前で切腹して自殺したとか、それすらも曖昧ですがなんかそんなイメージを持っていて、私も、まぁそう考えてみたら右寄りな人間なので彼の思想に合致するかもしれないと思 […]

漁港の肉子ちゃん 西加奈子 ★★★★☆

昨年の秋くらいから、まるで取り憑かれるように西加奈子さんを読んでいます。最初に読んだのはサラバ!で、今風の言葉、適切な言葉をあまり深く考えずに言うと「エモい」作品だな、というのが率直な印象だったのですが、そのエモさが私にとって妙にぴったりで、もっと読みたい!と思ったのを、数ヶ月経った今でも心に残っています。彼女の描くエモさには、何が含まれているのでしょうか。私は、彼女が持つ筆記具を握る指が、爪がめ […]

夜が明ける 西加奈子 ★★★★☆

西加奈子さんを読むのは3作目です。サラバ!、まく子、そしてこの「夜が明ける」。どの本を読もうかと言うのはあらかじめ決めているわけではなく、図書館で在架されているものをパパっと見て、そこからジャケ借り、という感覚で、この本を手に取りました。 いやぁ、壮絶でした。西加奈子さんの想像力にただただ圧倒されるばかり。サラバ!も、まく子も、かなり熱量の高いお話でした。だけどこの夜が明けるは、個人的には、それら […]