辛い時には、涙を流したって良いんだよ。
彼だと思っていた人が、私からのメッセージに既読をつけたくせに何も返してこなくなって、そこから2日が経った時、優しかった同僚がそう声をかけてくれた。
私は別に、泣くために恋をしているんじゃないんだから。
そう心の中で強がると、同僚は少し困った顔をした。
もしかして、彼ではなかったのかもしれない。
恋人という定義は人それぞれだから、私にとっては恋人だったけれども、彼にとって私はそれではなかったということだって十分にあり得るだろう。
ただ、お酒を飲んだ席で、たまたまトイレのタイミングが一緒になり、その時に「二人で抜け出して、違うところで飲まない?」と言われた時、私の胸が躍ったのは確かだったし、そんな風に声をかけてくれたということは、多少なりとも私に好意を持ってくれていたということについては、私は確信を持っていた。
きっと彼には何か返事ができない事情があるのだろう。
そんな風にポジティブに考えられたら良いのに。
だけど私にはそんな風に考えられない人間だから、
私には、そんな風に前向きなことを考えられない人間だからこそ、