今日は期待以上に生きることができた。
小さな喜びが、胸の辺りに、仄かに灯る。
最近雨ばかりで、それだけを考えると気分が滅入ってしまうのだけど、家の中で暮らすことを考えてみたら意外とやれることが多いなって思って、その中から私の気分が上がることを優先してやっていったら、あっという間に1日が終わってしまった。
こんな感じで、小さな喜びを心に積み重ねることで、私を肯定する私が生まれるんだなと、ちょっと思ったりする。
それはまるでポイント生活みたいだ。スーパーのポイントカードのような。
普段の買い物ではなんにも気に留めないようなことだけど、それを知らず続けていくと、500円のお買い物チケットに化けたりするのだから。
もしかすると人間は、大きな喜びを得ることよりも、こんな瑣末なことで積み重ねていった方が、死ぬ時に、後悔せずに逝けるんじゃないだろうか。
私は知らない間に大人になってしまったけれど、こんな「人生の真理」みたいなことに、なんで今まで気づかなかったんだろう。
いや、本当は気づいていたのかもしれない。
駅までの道すがら、越えなければいけない歩行者用信号が全て青だった時。
夜明けごろに目が覚めてしまって、トイレへ行った後にたまたま見つけた朝焼けの色に気づいた時。
ちょっと好きだった人と、音楽の趣味が合うと知った時。
ガリガリ君の当たりクジ。
もしこれから大きな喜びを得ようとして大きな壁にぶつかってしまったら、その壁を乗り越えるのに無理してもがくことよりも、壁の下に咲くタンポポを見つけてみよう。そのタンポポに癒されることで英気を養い、その力で壁を乗り越えられるのかもしれないから。