考えすぎないという知恵

──仕事に追われながら、心が少し救われた話。

今の仕事になって、もう三ヶ月が経ちました。
あっという間でした。時間が長く感じたことは一度もなく、それだけ覚えることが多く、仕事を回すのに必死だったということだと思います。そう考えると、たくさんの仕事があるのは、決して悪いことではないのかもしれません。
なぜなら、余計なことを考えずに済むからです。

たとえば、「なんのために生きているのか」という問い。
誰もが一度は考えたことがある、けれど簡単には答えられないテーマです。私はその問いに、まっすぐ答える術をまだ持っていません。
答えようとするたびに、相手の価値観と自分の価値観の間にあるズレが気になってしまうし、結局「今の自分はきちんと生きているのか」という自己否定のような考えに行き着いてしまうからです。

けれど、そうした深い問いを考えること自体は、悪いことではありません。
むしろ、自分に足りない部分を見つけ、成長へつなげるきっかけになることもあります。思索は、行動の芽を育てるものです。

ただ、考えすぎると、思考が自分を追い詰めてしまう。
仕事が落ち着いて時間ができると、つい考えすぎてしまって、出口のない迷路に入り込むような感覚になることがあります。
だからこそ、手を動かし、目の前の仕事に集中している時間は、案外、心を守ってくれているのかもしれません。

中途半端に考えること。
それは怠けではなく、むしろ健全なバランス感覚なのだと思います。